さて!ドリブルの練習だ!
と思った時に、後ろに下がる練習やってる?
特にバスケットボール大人初心者は練習開始1カ月は意図的に「後ろに下がる」を練習することをおすすめします!
ここでいう「後ろに下がる」は、リトリートドリブルと言われるような、後ろに下がるドリブルスキルだけではなく、ボール無しで単純に「後ろに下がる」動作も」含みます。
その延長で、リトリートドリブルを練習しよう!という感じです。
「どゆこと?」と思ったことでしょう。
大人初心者は「後ろに下がる」という動作自体が不慣れで、動作の選択肢に含まれていない方が多いので、まずは体にその動作をインプットしましょう、というのが狙いです。
なぜ不慣れな方が多いかというと、日常生活で「後ろに下がる」ことはあまりないですよね。
あっても一歩下がる程度で、しかもごく稀にです。
頭の中も体も「後ろに下がる」の動作認識が薄いので、とっさに体が動きません。
でも、バスケットボールで「後ろに下がる」ができると、かなり有利です。
ボール無しで後ろに下がる、ドリブルをしながら後ろに下がる、両方みてみましょう!
ディフェンスに詰め寄られてストップ
「後ろに下がる」が動作の選択肢にあると、色々なシーンで優位になります。
特にドリブルでディフェンスに距離を詰められた時の対処です。
初心者と経験者の差のひとつに「後ろに下がる」が動作の選択にあるか無いかがあります。
ドリブルでディフェンスに詰められたり止められた時に・・・
初心者は何とか強引に横にかわすか、ストップしてボールを持った状態になり、いずれもディフェンスに詰め寄られ苦しい局面に陥りやすいです。
多くの初心者は、ストップしてボールを持ったままディフェンスに詰め寄られ、ボールを奪われそうになったという経験をしたことがあると思います。
経験者は同じシーンになっても「後ろに下がる」という選択肢があるので、危機を回避できたり「後ろに下がる」動作を利用して次のプレーに繋げたり、リトライが可能です。
※パスやシュートの選択はありますが、今回はドリブルの場合でお考え下さい。
とっさに止まってしまうが当たり前
人は身に危険を感じた時、とっさに硬直してしまうのが当たり前の反応です。
ドリブルが加われば、ドリブル力やボールの保持力もまだ高くないので、止まってしまうのも当たり前です。
なので「なんで簡単な動作なのに、いざとなるとできないのだろう・・・」なんて思わなくてよいのです。
できなくて当たり前です。
「止まってしまうのは当たり前」を認識したうえで「自分の意志で後ろに下がる」を行うことで、頭と体が反応できるようになってきます。
自分の意志で後ろに下がる
これから練習例をご紹介しますが、Step1から4の簡単な練習はずっとやり続けるメニューではありません。
バスケットボールをやり始めた大人初心者は、週に1回程度しか練習機会がないと思いますが、そういった貴重な練習時間でも数秒でできる内容です。
Step1 5歩後ろに下がる
動きとしては超簡単でシンプルです。数歩後ろに下がるだけ、5歩でかまいません。
バスケを始める前のアップ時に、5歩後ろに下がるだけです。
ただし大切なことがあり、以下のポイントを押さえて行ってください!
- 何も考えず、ただ「後ろに下がるという動作」をやるのはNG
- 「自分の意志で後ろに下がる」という考えで後ろに下がる
- 目線を上げ、深呼吸をして視野を広くして、目の前の光景を広く見ながら下がる
体を温めるためのアップ動作ではなく、頭の中のアップと思って行ってみてください。
視界が開ける方を向いて下がりましょう。
屋内ならいつもより体育館が広く感じ、屋外でも公園やコートが広く感じたりすることでしょう。
その感覚が大切です。
Step2 横向きで5歩下がる(左右行う)
Step1は、頭に「後ろに下がる」という動作をインプットすることが目的でした。
たたし、バスケットボールにおいてドリブルをしている状態で、ただ後ろに下がるという動作はボールをカットされやすいので実用的ではありません。
ボールを守るように下がるドリブルになりますが、その練習の前に「横向きになって後ろに下がる」という動作を頭と体にインプットしましょう。
やり方と注意点は以下の①~④です。
- 正面を向く
- 顔は正面を向いたまま横向きになる
- 横向きで後ろに下がる(足のステップは大きく2種類あるが今回は内足となる進行方向と逆の足で床を蹴る)
- 跳ねるように下がらないよう注意する
Step3 姿勢を作って横向きで5歩下がる(左右行う)
Step2は、より実用的な「後ろに下がる」練習でしたが、それのブラッシュアップです。
ボールコントロールを行いやすい姿勢を取り入れた練習です(まだボールは不要です)。
Step2に以下を加えます。
- 横向きになったら股関節を少し畳みパワーポジションをつくる
- 進行方向とは逆の腕の肘を軽く曲げる(ドリブルをしたときにボールを守る役割になります)
- 顔を上げて肩越しで正面を見ながら下がる
Step1の時の視野を広くすることと、自分の意志で「後ろに下がる」を忘れないようにしましょう!
Step4 弧を描くドリブルを練習しよう!
Step4以降の練習は「後ろに下がる」ことに慣れてきたなと思ったら取り組んでみてください。
Step3にドリブルを加えますが、その前にStep3と相性のよいドリブルスキルの練習をします。
止まった状態で弧を描くドリブルを練習しましょう。
左右とも内回りで10回はスムーズにドリブルが行える程度にはなりたいところです。
Step5 リトリートドリブルを練習しよう!
ディフェンスに詰め寄られた時に、ドリブルをしながら下がりディフェンスとのスペースを空けるためのドリブルスキルとなります。
ポイントはドリブルを真下に突くと、十分なスペースを空けるほど後ろに下がれません。
そこでStep4の弧を描くドリブルスキルが必要となります。
Step6 インサイドアウトドリブルを練習しよう!
Step5の練習をブラッシュアップするために必要なドリブルスキルです。
後ろに下がるときに、鋭く後ろに下がる、一歩で大きく後ろに下がるリトリートドリブルを行うために必要となります。
インサイドアウトドリブルは、フェイントでボールを内側(インサイド)に入れ、素早く手首を返し外側(アウトサイド)にボールを移すドリブルスキルで、1対1でディフェンスを抜くための手段のひとつです。
今回はインサイドアウトを、後ろに下がるためのリトリートドリブルの分解練習のひとつとして取り入れます!
※ディフェンスを抜くためのインサイドアウトは体重移動も重要ですが、今回の目的は「後ろに下がる」なので、抜くためのインサイドアウトのポイントは省きます。
まずは一度キャッチする練習方法から始めて、その後に連続で行う流れで練習しましょう!
ポイントは「くの字」です!
Step7 力強くリトリートドリブルを練習しよう!
Step5で行った「弧を描くドリブル」によるリトリートドリブルを、Step6の「インサイドアウト」に変更してリトリートドリブルを行いましょう。
あとは繰り返しの練習で「後ろに下がる」をより明確な動作の選択肢にしつつ、実践できるドリブルスキルを身につけていきましょう!
Step1から7までありますが、初心者にとって最も大切なのは実はStep1の練習だったりします。
どれだけスキルが向上しても、とっさに選択肢に出てこなければ意味がありませんし、後ろに下がる技術があっても視野が狭いと次に何もできず、結局手詰まりになります。
Step1の練習は、初心と思って定期的に復習練習することをおすすめします。
まとめ
「後ろに下がる」でディフェンスに詰められた時に、後ろに下がってスペースを作る選択肢を増やそう!
そのために「後ろに下がる」を自分の意志で行うことで、意図的に頭と体にインプットしよう。
大人初心者は練習時間の確保が難しいので、短時間で簡単な練習を当面反復練習しましょう。
焦らずStep1から開始、ただStep7まで行っても大切なのはStep1の「自分の意志で後ろに下がる」を忘れない。
Step1 5歩後ろに下がる
Step2 横向きで5歩下がる(左右行う)
Step3 姿勢を作って横向きで5歩下がる(左右行う)
Step4 弧を描くドリブルを練習しよう!
Step5 リトリートドリブルを練習しよう!
Step6 インサイドアウトドリブルを練習しよう!
Step7 力強くリトリートドリブルを練習しよう!
「後ろに下がる」が身につくと、驚くほど動作の選択肢が増えます!
一度、身についてしまえば無意識にできるようになるので、是非取り組んでみてください!