ストレッチってとりあえず筋肉やアキレス腱を伸ばせばいいですよね?
今日はシュート練習だけだから、ストレッチはやらなくても大丈夫ですよね?
バスケ練習前に何となくでストレッチしていたり、省略してやらずにいる方は自分のパフォーマンスを引き出せず損をしているかも。
あまり知られていませんが、ストレッチには運動様式による分類があり、運動の目的にあったストレッチを行うことが効果的です。
なので「とりあえず・・・」よりもバスケの事前準備にあったストレッチを実施できた方がパフォーマンスがあがります。
シュート練習だけといっても、シュートは身体の連動や反動を用いる全身運動なので事前にストレッチを行い、運動パフォーマンスを上げた状態で行うことをおススメします。
ストレッチの種類と効果
それぞれの特徴を押さえて使い分けができるようになるのが理想です。
バスケットを含む激しい運動を行う場合は、開始前に動的ストレッチを行い、終わった後は静的ストレッチがおススメです。
それぞれのストレッチ例はこんな感じです。
たぶん誰もがやったことのあるストレッチだと思います。ご自身がやったことのあるストレッチの順番を変えるだけで効果が変わります。
では、それぞれの特徴を見ていきましょう!
静的ストレッチ(スタティックストレッチ)
反動や弾みを利用せずに、ゆっくりと筋肉や腱を伸ばした状態を維持するストレッチです。
時間をかけて筋肉や腱の最大可動域をゆっくりと伸ばしていくので、柔軟性のアップや可動域を広げる効果があると言われています。
さらに深呼吸をしながら行うことで副交感神経が刺激され、リラックス効果も期待できます。
しかし注意点があります・・・
準備運動で静的ストレッチを行うと、必要以上に可動域や柔軟性が向上することで筋肉や関節が緩み、力を発揮しづらくなるというデメリットがあります。
また、静的ストレッチングは筋肉を柔軟にする効果が高いものの、筋肉を温める効果がないという特徴があります。
静的ストレッチングは筋肉の緊張と疲労を緩和し、短縮した筋肉を運動前の状態に戻すクールダウンにも適しています。
動的ストレッチ
動的ストレッチにはさらに「バリステックストレッチ」と「ダイナミックストレッチ」があります。
バリステックストレッチ
バリステックストレッチは勢いや反動をつけて筋を伸張させる⽅法です。
筋⾁の弾性⼒を⾼めるという特徴がありますが、いきなりおこなうと筋肉を傷める可能性もあるため、ダイナミックストレッチングで筋肉を温めてから行う必要があります。
特に体が硬い方は、無理のない範囲で筋肉を伸ばすことがポイントです。
バリステックストレッチの参考動画でイメージを確認ください。
柔軟性がすでにある選手による強度の強いバリステックストレッチングの動画ですが、初心者の方や体が硬い方が勢いに任せて似た強度でやってしまいがちです。
とりあえず勢いをつけた方が良い、強い痛みが伴った方が良いと思われる方がいますが、そんなことはありませんので注意ください。
ダイナミックストレッチ
1つの関節には、対の位置に「主働筋」と「拮抗筋」という筋肉が存在します。例えば膝を曲げるとき、膝を曲げる筋肉が働くと、伸ばす筋肉が緩むといった関係があります。
椅子に座った状態で、もも裏の筋肉に手を当てながら膝を曲げたり伸ばしたりすると感じることができます。
ダイナミックストレッチはこの原理を利用して、伸ばしたい筋(主働筋)と反対⽅向の運動をする筋(拮抗筋)を意識的に活動させ、その動作を繰り返し⾏うことで、主働筋を弛緩させる⽅法です。
簡単に言うと、緩ませたい筋肉とは逆の筋肉に力を入れることで、緩ませたい筋肉を脱力させるストレッチです。
ポイントは、勢いや反動に頼らずコントロールした動きで拮抗筋(緩ませたい筋と反対の筋)を活動させるように行うことです。
ダイナミックストレッチの参考動画からイメージを掴んでみてください。
運動前は動的ストレッチング
動的ストレッチングは筋肉、関節、神経系を刺激することで関節可動域を広げるため、傷害を予防し、パフォーマンスを向上させるウォームアップとして適しています。
特にダイナミックストレッチングは、適度に筋肉をほぐし身体を運動できる状態にするのに効果が高いです。
アップでやる動的ストレッチは何が良い?
運動前に動的ストレッチを行うのが効果的なのはわかっても、具体的に何をすればよいかという点にが気になると思います。
動的ストレッチである、ダイナミックストレッチだけでもたくさんの種類がありますので、実際に調べていくと何をどう組み合わせたらよいかわからないと思います。
そこでバスケのダイナミックストレッチの参考動画をご紹介します。
まずは、そのまま同じ内容で取り組むのでよいでしょう。どれも簡単な動作です。
マイストレッチメニューを作ろう
個人で練習を行う時などに備え、自分なりのダイナミックストレッチのメニューを作っておきましょう。
センターラインほどの距離を往歩きながら往復で行える10分程度の内容でも体が温まるのを感じると思います。
実際に経験したストレッチを含むアップメニューを行うのもよいですし、自身で調べた内容を加えるのもよいでしょう。
自分の体や、その時の筋肉の状態にあった内容を試してみましょう。ひとつ準備しておけば屋内外どこでも実施することができます。
マイメニューを実践することで、心身ともに運動をする状態にすることができます。
ガチガチの筋肉は伸ばすよりもほぐすほうが良い!
初心者の方、社会人の方、久しぶりにバスケをやる方は、運動に慣れていなかったり仕事のデスクワークなどで筋肉がガチガチに硬い状態であることが多いです。
特に股関節まわりと肩甲骨まわりです。
その状態で静的ストレッチングを行うと、無理に筋肉や腱を伸ばしてしまうことになり、かえって痛めてしまいかねません。
筋肉は温かい方が動かしやすいのはお風呂上がりのストレッチが行いやすいことで良く知られていると思います。
静的ストレッチングは筋肉が温まらない特徴があるため、筋肉をほぐすには動的ストレッチングのほうが適しているのです。
体が硬い方が筋肉を伸ばしたいのであれば、まずは筋肉をほぐすことに慣れましょう。そういった点でも動的ストレッチングを取り入れることをおススメします。
まとめ
ストレッチの種類と効果を整理すると次の通りです。
- 激しい運動に備えた準備として、適度に可動域を広めながら筋肉を温める動的ストレッチを練習前に行いましょう。
- 個人練習を行う場合も実施ができるよう、前もってマイメニューを作っておきましょう。
- 練習後はクールダウンを兼ねて、疲労で硬くなった筋肉を深呼吸と共に静的ストレッチで緩め、可動域の柔軟性を高めつつ筋肉痛や怪我予防を行いましょう。
何となく行うストレッチから、目的にあったストレッチによって怪我のリスクを抑え身体のパフォーマンスを上げた状態で質の良い練習を行えるようになりましょう!