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エコロジカル・アプローチ 練習の価値観が劇的に変わる新しい運動学習の理論

バスケプレーヤーへのおすすめ本「エコロジカル・アプローチ」

エコロジカル・アプローチ 「教える」と「学ぶ」の価値観が劇的に変わる新しい運動学習の理論と実践


⚫︎同じ形でシュートが打てれば入るのに・・・
⚫︎数年ぶりに再開したが今と昔で練習法が異なり戸惑いを感じる・・・
⚫︎コーチをしているが、今の練習のやり方で良いのだろうか?

大人バスケ初心者や数年ぶりにバスケを再開したブランク選手は、上記のように感じたことはないでしょうか。
また、コーチを目指す方は、ご自身が考える練習メニューに疑問を感じた事はないでしょうか。

ECOLOGICAL APPROACH(エコロジカル・アプローチ)」は、そんなもやもやを解消する、現代バスケに必要な練習に対する考え方を知ることができます。

そして、新しい価値観を持って練習に取り組むことができ、今までと違う結果をもたらしてくれることでしょう。

エコロジカル・アプローチを読むきっかけ

私もブランクがあってバスケットボールを再開した一人であり、「ド根性」でバスケを練習をしていた昭和世代です。

バスケットボールを再開した時、自分が育成年代だった時の練習内容から、かなり進化していることを実感し、少々の戸惑いもありながらも新鮮で楽しく練習をしていました。

練習会の内容において「なぜ、こういう練習が効果的なのだろう」と興味を持つことが増え、かつ自主練習でも今までと異なる考え方で取り組む方が効果的なのだろう、と漠然に感じていました。

この漠然をもっとはっきりさせたいと思った時、「運動科学」や「運動学習」という言葉を知り、さらに参考となる本を探し求め出会ったのが「エコロジカル・アプローチ」でした。

本書はさまざまな理論や検証データに基づき「運動学習」について述べられています。

初めは、重そうなテーマを扱っているように感じ、文量も多く気が引ける思いで読み始めました。

しかし、読み進めるほど頭がスッキリしていくのでした。

「あぁ、あの練習はこの理論に当てはまる」と、納得がたくさんあったからです。

エコロジカル・アプローチを読むにあたり

本書は、多くのキーワードや定義が出てきますが、特にポイントとなるキーワードは以下です。

  • 伝統的アプローチ
  • エコロジカル・アプローチ
  • 「繰り返しのない繰り返し」

本書では「伝統的アプローチ」と「エコロジカル・アプローチ」の対比が用いられますので、本書の予備知識として少しだけ解説します。

伝統的アプローチ

「伝統的アプローチ」は、同じ動作(練習)を繰り返し行うことでスキルを高める、運動の学習方法です。

つまり反復練習により、同じ動作を再現することを重要視しています。

エコロジカル・アプローチ

「エコロカジル・アプローチ」は、「プレーしながらの探索+適応的実行」によりスキルの実行能力を高める運動の学習方法です。

あるスキルのエキスパート選手がいるとして、伝統的アプローチは繰り返しそのスキルを忠実に再現できるようにして、エキスパートに近づく考えです。

そのため練習も「事前に計画+正確な実行」を求めます。

いわゆる「型にはめる」です。

対してエコロカジル・アプローチは、プレーをしながら探索し、適応的にスキルを実行できるようにして、エキスパートに近づく考えです。

そもそも運動とは、身長差など個人の制約、DFの位置関係によるコート上の制約など、さまざま制約が存在します。

エコロカジル・アプローチは、試合環境と類似した制約下の練習により知覚を豊かにし、状況に適応したスキルを実行できるようにすることを求めていきます。

なお、エコロジカル・アプローチの運動理論でコーチに求めることは、学習者が効率的にスキルを習得できる「制約のデザイナー」となることです。

「繰り返しのない繰り返し」フリースローの練習概念が変わる

伝統的アプローチは、同じ動作による安定性を追い求めます。
対して、エコロジカル・アプローチでは、動作の変動性(バラつき)を否定しません。

本書の中で、バスケットボールのフリースローについて触れられています。

球技の中でもフリースローは、ゴールまでの距離や高さは同じで設備の制約はなく、DFもいないため阻害するものがないといった、特徴的なシチュエーションがあります。

多くのバスケットプレーヤーは、毎回同じ動作をすればシュートは決まる、と考えフリースローの練習をしていることでしょう。

これは、伝統的アプローチの考え方です。

しかし本書の実験結果では、フリースローの名手ほどバラつきがあるとしています。

その上で、エコロジカル・アプローチの運動制御感を説明しています。

この運動制御感とは、同じ結果を出すために違う動きをすることであり、「繰り返しのない繰り返し」のトレーニングの必要性が述べられています。

このような、エコロジカル・アプローチの理論の考え方は、多くのバスケットボールプレーヤーの価値観や考え方に大きな衝撃を与えることになるでしょう。

まとめ

エコロカジル•アプローチは、フリースローの練習概念を180度変えるような新しい学習理論です。

そのくらい本書は、バスケットボールプレーヤーやコーチに、価値観や考え方に変革をもたらす一冊となります。

特に、試合になると途端に実力を発揮できないと感じるプレーヤーは、練習時に何を改善するべきかのヒントになります。
選手の育成に興味を持つ方も、目指すべきコーチ像のヒントを得られます。

バスケ初心者の方も、本書の理論を知ることで練習への向き合い方が変わり、コーチの練習の意図を理解できたり、練習メニューを持ち帰り自主練習をする時にも良い影響を与えてくれるでしょう。

さて、本書はさまざまな定義が出てくるため、スポーツ理論について読み慣れていない方には、言葉の整理が追いつかないかもしれません。

言葉の整理は後回しにしてまずは一読していくと、目につくキーワードや説明が出てくるので、その部分だけを読み解くだけで、大きな気づきを得ることができます。

また、ここまでの概要説明でも、何となく反復練習に対して否定的な内容だと感じる方もいるかもしれません。しかし、本書の中でも繰り返しのトレーニングで安定した動作の型を形成することも必要だとしています。

ただ、必要以上に力を入れる必要はないとしています。

ポイントは・・・

  • 伝統的アプローチとエコロジカル・アプローチの対比
  • フリースローの名手ほど動作のバラツキがある
  • 「繰り返しのない繰り返し」
  • コーチは「制約のデザイナー」

現代バスケにあった理論が言語化された、目の覚める一冊です。

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ヤヒコ(yahiko)
yahiko
まだ上手くなりたいと思っている40代サラリーマン。バスケ歴21年、屋外ひとり練習歴3年。 年齢に比例して動けなくなってきましたが、できるだけ長くバスケを続けられるように個人練習を定期的に行っています。 社会人バスケ初心者の方と触れ合う機会が多く、伝えることを通じて学んだ練習のコツや注意点をシェアしたいと思っているおっさんです。