読み終わった時、社会人としての自分と、バスケットボールをやっている自分の、両方の自分に勇気をもらうことができました。
主人公の達也からは社会人として仕事や人との関わりついて考えさせられ勇気をもらい、主人公の親友である青希からはスポーツマンとしてチャレンジすること、楽しむことの大切さを改めて考えさせれ勇気をもらいました。
この本はこんな方におすすめです。
- スポーツ社会人初心者
- カムバックプレーヤー、カムバックを考えている方
- ビジネスマン
HPSサラリーマンのあらすじ
本書は、ひといちばい繊細で人との会話が苦手な営業マンである主人公の達也の成長物語ですが、主人公を支える2人の重要人物の物語でもあります。
ある出来事がきっかけで連絡を絶っていた親友との再会をきっかけに、社内では浮いているのになぜが売上№1の職場の先輩と働くことになり、その2人からの学びを通じて自分と人生を変えていきます。
社会で働くうえで、人とのコミュニケーションに悩む方や、営業マンであれば思うように実績がでずに悩みを抱えている方は多いと思います。
まさに達也は、そのドツボにはまっています。
しかし親友と先輩の姿や言葉から「実は自分はもっと人と関わりたいと思っている」こと、「自分の思い込みで大切なことを見落としていた」こと、それらに少しずつ気づき、自分はどうしたいのか、どうなりたいかを知り、次第に自分の可能性を広げていきます。
登場人物それぞれの成長物語
達也の後ろ向きな気持ちはビジネスマンとして共感できてしまう部分もありつつ、達也の成長を通じて自分自身を見つめなおすことができます。
達也の成長の過程は、何かを伝えることや逆に聞くことに不安を持つ方に読んでいただきたいポイントです。
そして達也の成長は周囲の成長にも繋がり変化が起きてきます。物語を読み進めていく中で、登場人物の心の変化も読みどころです。
カムバックダンサー青希の物語
本書は達也のビジネスマンとしての成長物語ですが、同時に達也の親友である青希との友情物語でもあります。
実は、私が最も感動したのは青希のひたむきなチャレンジの姿です。
青希はカムバックダンサーです。誰もが致命的と見る問題を抱えながら、大会に出るためにひたむきに練習を行います。
それが、他人から見て格好が悪く見えていたとしても、それは問題でないことを教えてくれます。
好きなことに全力で取り組むこと、自分の息子に伝えたいもののために、必死な姿が描かれています。
社会人のバスケ初心者やカムバックの方とプレーしていると、自分のプレーを『恥ずかしいと』思っている、と気持ちを吐露してくれることがあります。
そんな『恥ずかしい』の気持ちに対する青希の回答が作中にでてきます。
青希の作中での姿はスポーツをする方々に勇気を与えてくれます。そして、ステージにたったシーン、会場での達也と青希のやりとりのシーンでは特別な感動を得られます。
まとめ
読み終えた時、仕事とバスケットボールの両方に対して新たな気持ちで取り組むことができ、読んでいる間も心が温かくなります。
人と接することが苦手な社会人、何か行き詰まりを感じるビジネスマン、自分のプレーに自信が持てない社会人バスケプレーヤーに読んでいただきたい一冊です。
巻末には作中に出てきた「40の言葉たち」があります。作中の登場人物たちの言葉が読み終えた読者を改めて鼓舞し、気づかせ、勇気づけてくれます。