「ディフェンスはマンツーで!ノーミドルで行こう!」
と、チームメイトに言われたものの「ノーミドル」ってなんだ(汗)
バスケットボールに慣れてきて、少しずつ試合の強度も上がってくると、チームの一員としてワンデー大会に参加するということも出てくるでしょう。
そんな時、ちょっとした戦術をもちいてチームディフェンスにトライすることもでてくるかもしれません。
いつかに備えて、今回はマンツーマンディフェンスで用いられることがある、「ノーミドル」「ノーベース」についてです!
ミドルラインとベースライン
まず知って欲しいことは ”線” 、「ミドルライン」と「ベースライン」です。
ちなみにミドルラインはゴールとゴールを結んだ、コートの中心を示す仮想のラインです。
ベースラインは、ゴールの後ろに引かれたラインで「エンドライン」とも呼ばれ、初心者の方はエンドラインの方を良く耳にすると思います。
この2つのラインを念頭に読み進めてください!
ノーミドルとは
ノーミドルとは、マンツーマンディフェンスにおいてボールマンをミドルライン側に抜かせないように守ることです。
つまりコートの外側に向かってドリブルをさせる守り方です。
なお、ディフェンスがボールマンの行き先を意図する方向に誘導する守り方を「ディレクション(方向づけ)」と言います(詳しくは下記をご覧ください!)。
ノーミドルのメリット・デメリット
ノーミドルのメリットとデメリットは以下です。
■ノーミドルのメリット
ゴールから遠ざけ、サイドラインやエンドラインに追いやることで行動範囲やパス方向を狭め、プレッシャーを与えやすい。
■ノーミドルのデメリット
抜かれた時に後方がヘルプディフェンスに動いたら、周囲も連動したカバーの動きが必要になる。
デメリットについては、ちょっとわかりにくいと思いますので、ノーミドルと一緒にセットで身につけて欲しいことを踏まえ解説します。
セットで身につけたいこと
■ノーミドルとセットで身につけたいこと
- カバー(ヘルプ)
- カバーダウン
- リカバー
この3つも同時に覚えましょう!
もしも、抜かれてしまった、抜かれそうになっている、となったらゴールに近い味方がカバー(ヘルプ)ディフェンスに動かなければなりません。
そのヘルプに動いた分、スペースが空いてしまうので、高い位置(センターライン側)に位置する味方がゴール側に降りてきてカバーする必要があります(カバーダウン)。
上手く守り切ることに成功したら、それぞれが自分のマークマンに素早く戻る(リカバー)必要があります。
例えばこんな感じです。
チームメイトの誰かがボールマンにノーミドルのディフェンスを遂行しようとしているのなら、自分はカバー(ヘルプ)・カバーダウン・リカバーに動けるようにする必要があるのです。
チームディフェンスということを忘れないようにしましょう!
ノーベース(ノーライン)とは
ノーベースとは、マンツーマンディフェンスにおいてボールマンをベース(エンド)ライン側に抜かせないように守ることです。
つまりコートの内側に向かってドリブルをさせる守り方です。
なお、「ノーライン」と呼ばれることもあります。
ノーベースのメリット・デメリット
ノーベースのメリットとデメリットは以下です。
■ノーベースのメリット
ディフェンスの多い地帯に向かわせるためカバーがしやすい。
■ノーベースのデメリット
ボールマンに選択肢が多くパスを展開しやすい。
ボールマンに選択肢が多く、オフェンスがボールマンに合わせて動くことでパスを展開され、ディフェンスを崩されることがあります!
「ノーミドル」「ノーベース」どっちがよいの?
ビギナー寄りのチームでトライするなら、「ノーベース」がよいだろうと私は思います。
できるだけDFが多い方に誘導し、大きな動きなくカバーしあえるからです。
ボールマンがペイントエリアに侵入し、ディフェンスを引き付け、外にキックアウトパス、パスを受けた選手が外から打つ。
というパターンで崩されるかもしれませんが、外のシュート確率があまり高くなければ、効果的なディフェンスです。
「打たれた」ではなく「打たせた」となります。
あとはチームルールとして「シュート打たれたら全員スクリーンアウトで落ちたシュートを取る!」と、意識を合わせとけばよいです。
とはいえ、さらにバスケットボールの強度があがり、自分もまわりも対戦相手もレベルがあがってくると、「ノーミドル」も必要になってきます。
戦術理解を通じてチーム力を上げたいなら、カバー(ヘルプ)、カバーダウン、リカバーをチームメイトと共有して「ノーミドル」にチャレンジしてみるのもアリですし、いつかは出会う戦術なので取り組んでみて欲しいです!
思い切って声に出して味方と連携!
ベースライン側、ミドルライン側、どっちに誘導するのか?
「ディレクション!」「こっち行かせるよ!」「ヘルプ頼むよ!」
ディフェンス中に声に出して味方とコミュニケーションを取りながら実践するのもアリです!
そうすることで、後衛の味方に連携を促すことができます。
後衛も「後ろオッケー!」など応えることで連携力アップ!
ビギナーチーム同士なら「利き手封じ」!
ビギナーチーム同士のゲームで、何かチームディフェンスをトライしたい!
でも「ノーミドル」も「ノーベース」もちょっとまだ難しそう・・・なら、利き手封じをディフェンスルールとしてやってみましょう。
利き手封じは、ディフェンスのマンツーマンでボールマンに対して利き手と反対側でドリブルをつかせるようにディフェンスすることです。
詳しくは【「ディレクション」をマンツーマンディフェンスでやってみよう!】をご覧ください。
これをチームメイト全員の共通事項にして守ることで、ミスを誘発するようにします。
もし、抜かれてカバーが遅れても対処しやすいです。
まとめ
●ノーミドルとは、マンツーマンディフェンスにおいてボールマンをミドルライン側に抜かせないように守ることです。つまり、コートの外側に向かってドリブルをさせる守り方です!
●「ノーベース(ノーライン)」とは、マンツーマンディフェンスにおいてボールマンをベース(エンド)ライン側に抜かせないように守ることです。つまり、コートの内側に向かってドリブルをさせる守り方です!
●「ノーミドル」は、抜かれた時の「カバー(ヘルプ)」「カバーダウン」「リカバー」が大切なのでチームで対応できるようにしっかり共有が必要です!
●ボールマンを誘導するために、担当マークマンによるディレクション(方向づけ)が大切です!ディレクションをする方向を声に出して味方とコミュニケーションをとって、チームで守る意識を高めるのもアリ!
●ビギナーチームでチームディフェンスを取り組んでみたいなら、全員がボールマンに利き手と反対側でドリブルをつかせるように守る、利き手封じもおすすめ!
チームメイトからディフェンスの提案があっても慌てず対応して、チームで守るバスケを楽しんでください!