デッド・ローはそこに立つだけで味方のドライブをアシストする可能性があります!
インサイドのプレーヤーで、味方のドライブの合わせが上手くいかない!という方も、デッド・ローを取り入れることで連携成功率アップが期待できます!
意外と知られていないポジションなので、この機会に把握しておこう!
デッド・ロー(Dead Row)はベースラインとフリースローレーンが交わる位置の周辺でほぼゴールの裏側、ディフェンスにとって死角になりやすいポジションで、ディープ・ローとも呼ばれます。
デッド・ローはディフェンスの死角に位置するためドライブに合わせた動きを取りやすい他、ドライブのための広いスペースを作ることができます。
インサイドのポジションとなりますが、センターやフォワードだけが知っておけばよい!というポジションではありません。
良いスペーシングや、ゴール下でのドライブとの合わせのために、全ポジションのプレイヤーが知って得するポジションです。
バスケ初心者の方も、早めに知っておくことで練習に対する理解度が深まり、試合や動画を観る目が変わります!
NBAの動画を観ると、ドライブの成功やドライブからのアリウープダンクといった一連のプレーに、デッド・ローが関連していることも多いです!
ぜひ押さえておきましょう!
デッド・ロー(ディープ・ロー)の位置
まずは具体的な位置を把握しましょう。
デッド・ロー(ディープ・ロー)のメリット
デッド・ローの利点を大きくまとめると下記の3点です。
- 広いスペースを作れ、味方のドライブに優位なスペーシングができる。
- 味方のドライブに対して自身のディフェンスがヘルプに動いたら、合わせの動き(サークル・ムーブ)で得点が狙える。
- ディフェンスよりゴールの内側にいるため、優位にスクリーンアウトをしてオフェンスリバウンドに参加ができる。
デッド・ローに立つことで、ディフェンスにとって死角となりますが、マークマンから離れるわけにもいきません。その利点をうまく活用することでチーム全体が優位なオフェンスを展開することができます。
ハイ、ミドル、ローポストとデッド・ローの違い
ハイ、ミドル、ローポストとデッド・ローの大きな違いはディフェンスの視界とスペーシングにあります。
ハイ・ローのポストプレー
広く知られる連携プレーとして、一人がハイポストでボールをもらい、同時にもう一人がローポストで位置取り(シール※)をしてゴールに近いエリアで攻めるプレーがあります。
※シールとは、相手プレーヤーにぴったりと密着すること。オフェンスがディフェンスのプレーヤーに、ディフェンスがオフェンスのプレーヤーに、どちらの場合であっても共通してシールと呼びます。センタープレーヤーがポストでポジション(面)を取る行為として、よく使用されます。
それも有効なオフェンスですが注意点があります。
- インサイドのディフェンスプレーヤーは視野が確保しやすいためヘルプディフェンスにも動きやすい
- アウトサイドのディフェンスも、自身のマークマンをケアしながらインサイドへのヘルプディフェンスに動きやすい距離を維持できる
- ゴール付近のスペースが狭くなりアウトサイドのプレーヤーはドライブを仕掛けにくくなる
- 味方にインサイドでのオフェンスに強いプレーヤーが必要
ディフェンスとしては、成功率の高いゴール下に対するヘルプディフェンスにも動きやすく、得点の高い3ポイントへのケアもしやすい位置取りなります。
ミドル・ポストのプレー
ミドル・ポストはシュートにもドライブにも行きやすい地点です。
しかしミドルポストは、オフェンス中にプレーヤーが多く通過する場所でもあり、ミドルポストに長時間留まると、狭いスペーシングになり味方のアタックチャンスを邪魔してしまう可能性があります。
デッド・ローに対するディフェンスの視界の特徴
デッド・ローに立たれるとディフェンスはヘルプディフェンスに行きにくく、もしもヘルプディフェンスに動いた場合、自身のマークマンを視界から外すことになります。
もしも、ボールマンと自身のマークマンを視覚に収めようとすると、こまめに首を振る必要があり非常に守りにくい状態になります。
広いスペーシング
コートの深い部分に位置取り、ディフェンスを引き付けることができるため、ドライブに有効なスペースを作ることができます。
ドライブとの合わせの基本はサークル・ムーブ
ドライブに対してデッド・ローに位置するプレーヤーについていたディフェンスがヘルプに動いたら、サークル・ムーブ(サークル・ルール)で合わせてゴールを狙いましょう。
ディフェンスがヘルプに来ないならドライブしたプレーヤーのシュートチャンス。
ゴール付近で味方がアタックする場合にも効果的な合わせが行えます。
オフェンスリバウンドへの参加
味方がジャンプシュートや3Pシュートを放った時、デッド・ローのプレーヤーはディフェンスよりゴールの内側に位置するため、スクリーンアウトを行いやすくオフェンスリバウンドへの参加がしやすくなります。
ディフェンスはシュートを打つプレーヤーを見ているため、ますますデッド・ローにいる自身のマークマンを視覚で捉えることが困難となります。
まとめ
インサイドとのプレーと言えばハイポストやローポストでのやりとり、というイメージを持っている方が多いと思いますが、実際にはデッド・ローからのドライブとの合わせが多用されています。
バスケ初心者でも、デッド・ローのポジションを知っていることで、試合を見る目を養うことができ、ドライブの練習を行う場合もインサイドプレーヤーとの合わせをイメージして取り組むことができます。
ポジションに関係なく、一度はデッド・ローのポジションに立ってみて、どういった景色なのか、オフェンスとディフェンス両方の立場で確認をしてみましょう。
是非、頭の片隅においてバスケットを楽しんでもらえたらと思います。