バスケを始めたばかりでゾーンディフェンスをやったことがない!
でも、バスケしに行ったらゾーンディフェンスが出てきた!
どうやって守ったらよいの?
どうやって攻めたらよいの?
特に社会人になってからバスケを始めた方は、ゾーンを学ぶ機会が少ないと思います。
マンツーマンでもまだ慣れない中、ゾーンディフェンスが出てくると初心者の方は混乱してしまうと思います。
かといって、ピックアップゲームなどに参加すると、ひとチームはゾーンディフェンスを行ってくるものです。
いざ自分がゾーンディフェンスで守る、ゾーンディフェンスに対して攻めるときに備え、仕組みとポイントを把握しておきましょう!
ゾーンディフェンスとは
ゾーンディフェンスとは・・・
- エリアを分けそのエリアの担当者が守る
- オフェンスがどこにいても、守るエリアは変わらない
- 身長の高い人がゴール付近のエリアを守り、チームなかで低身長の人が前線を守る陣形
ゾーンディフェンスのメリット
- エリアで守るため、ドライブで抜かれた場合にヘルプが居る
対人防御であるマンツーマンで個人で守ることが劣る場合に、ヘルプディフェンスが行いやすくなり、特に成功率の高いゴール付近の守りを固くすることができます。
ゾーンディフェンスのデメリット
- パス回しに弱く、早くパスを回されると追いつけない
- 一人で2人など複数人を守らなければならない時がでる
人はボールより早く動くことができませんので、パス回しを通じて陣形を乱されてしまいます。
また、成功率の高いシューターが居る場合には、そこから狙い撃ちされやすくなります。
そして、オフェンスの陣取り方によって、一人で複数人を同時に守る必要が出て数的不利になることがあります。
ゾーンディフェンス色々
ゾーンにも種類があり、陣形により強み弱みがあります。自分のチームの特徴や相手の特徴によってどの陣形をメインとして採用するかは異なります。
- 3-2(外が強く中が弱い)
- 2-3(中が強く外が弱い)
- 1-3-1(ボール近辺に強く、スキップパスに弱い)
※スキップパスとは、パス2回分相当の距離のパスのこと。隣の隣に出す距離のパスをワンパスで通すこと。
2-3ゾーンを覚えよう
ゾーンの中でも2-3ゾーンは取り組みやすい陣形のため、多くのシーンで採用されます。
ピックアップゲームで初めましての方々と、守り方を決めるときに「ゾーン」と言ったら2-3ゾーンを指すと言ってよいでしょう。
それだけ一般的なゾーンの守備陣形となります。
また2-3ゾーンを理解できれば、3-2ゾーンも取り組みやすいです。1-3-1ゾーンはあまり使われることはありません。
2-3ゾーンのディフェンス陣形と守備エリア
改めて2-3ゾーンの陣形と守備担当エリアを確認しましょう。
ゾーンディフェンスの良い所は試合が始まってからでも、すぐに声をかけあうことでポジションを決められることです。
「2-3ゾーンで行きましょう!」「私は前行きます!」「真ん中行きます!」「下行きます!」これで役割と担当を簡単に決めることができます。
左右の守備の位置について
前衛二人と、中心を除く後衛の左右二人は、状況を見て左右どちらを守ってよいと考えましょう。
初めにゴールを背にして右側を守ったからといって、その後もずっと右側を守る必要はありません。
自チームのオフェンスの終わり方によっては、左側が近ければ左側を守ればよいです。
左利きのプレーヤーが居る場合は、できる限りゴールを背にして左側を守ってもらうなど、そういった取り決めはチーム内であっても良いでしょう。
ゾーンでの守備
オフェンスは、目の前のディフェンスの背後にさらに守備の選手が居るため、ワンツーマンと異なりドライブを仕掛けにく状態です。
仮にドライブで仕掛けてきても、深いところ(ゴールに近い場所)まで、切り込むことは難しいです。
ドライブへの警戒を怠ることはできませんが、ドライブの確率は減るのと、背後に味方が居ることを前提としたディフェンスが行えます。
オフェンスは基本的にはパス回しでシュートチャンスを作ろうとするので、ディフェンスはパスコースを防ぐように両手を広げて守るようにしましょう。
ゾーンの基本的な崩し方
今度は相手がゾーンでディフェンスをしてきた場合の基本的な対処を確認しましょう。
どのようなゾーンの陣形でも基本的な崩し方は同じです。
- パスを早く回す
- ディフェンスとディフェンスの間の隙間を攻める
- ディフェンスが動いた背後で攻める
- オフェンスは激しく動き回らない
ゾーンに出会った場合、まず冷静になってこのポイントを思い出しましょう!
2-3ゾーン崩しの基本陣形
ほとんどのシーンで使われる2-3ゾーンに対して、崩し方のポイントを押さえておきましょう。2-3に対して、オフェンスは1-2-2の陣形でスタートして1-3-1で攻めましょう。
※フラッシュとは、ボールを保持しているプレイヤーに対して味方オフェンスがボールを受けるために向かっていく動作。その名の通りゆっくり動くのではなく、ボールに向かう時は瞬時に動き出し、動きにメリハリをつける。
ディフェンスとディフェンスの間の隙間を攻める
ディフェンスとディフェンスの間に入って、パスを回しているとディフェンスはボールを追うごとにオフェンスとのズレ(距離が広がる)が生じてきます。
ズレた分、徐々にボールを追いかける距離が長くなり、フリーが生まれシュートチャンスが生まれます。
位置によってはさらに一人で複数人を守る必要があり、数で有利になります。
ディフェンスが動いた背後で攻める
ボールに対してディフェンスがチェックに来る時、そのディフェンスの背中側は死角になったり、スペースが空きやすくなります。
そこにボールが入れば、かなり有利にオフェンスをすることができます。
パスでディフェンスを動かしてチャンスを作りましょう!
初心者の方には状況に合わせた動きとパスの選択は難しいと思いますが、知ってプレイするのと知らずにプレイするのとでは、その後の成長が違ってきます。
ゲーム後に自身のプレイを振り返った時に、何が良かったのか、何が課題なのかを具体的に考えることができるようになります。
ショートコーナ(デッド・ロー)に一人いるとかなり有利
誰か一人がショートコーナー(デッド・ロー)にいるだけでゾーン攻略がしやすくなります。
意外と知られていないので、誰もそこにいかなければ、率先して入ってみましょう。
ディフェンスはかなり嫌がります。
ゾーンを組まれる前に速攻で得点する
速攻で攻めるチャンスがあれば、しっかり走って速攻で決めてしまいましょう。
相手がゾーンの陣形を作る前に攻めてしまうのも大切です。
ただ、速攻で攻めきれなかった場合は気持ちを切り替えて、あえてゆっくりゾーンを崩すための配置につきましょう。
ここで速攻の勢いそのままに、焦って攻めるとかえって墓穴を掘ってしまいます。
シンプルな攻撃ほど効果的
ゾーンの崩し方などありますが、味方のセンターが明らかに相手より強ければ、そこを重点的に使ってゴールしたり、確率の高いシューターがいれば、早いパス回しでそのシューターにシュートチャンスを増やすなど、シンプルなほど効果的です。
味方の強みがあるポジションで、シンプルにオフェンスを優位に進める方法もあります。
初心者の苦手ポイント
バスケ初心者がゾーンを攻める時に、落ち入りやすいことや苦手とすることがあります。
- 焦って動き回ってしまう
- パスを早く出せない又は届かない
- シュートを打たない(遠くて届かない)
- わざわざディフェンスの目の前に陣取ってしまう。
事前にわかっていれば対策できます!
焦って動き回ってしまう
ゾーンではパス回しを中心にディフェンスのズレを作ります。
ただ初心者の方はマンツーマンのように動き続けなければと、闇雲にコートを移動してしまいます。
何かをしなければと、とりあえずでスクリーンをかけてしまいがちです。
移動もスクリーンも行う時もありますが、まずは早いパス回しでディフェンスを崩すための位置どりをしましょう。
動きもゆっくりで大丈夫です。インサイドプレーヤーでなければ、あまり動く必要もありません。パスで翻弄してシュートチャンスを作りましょう。
パスを早く出せない又は届かない
パスを早く出したい気持ちはあっても、初心者のうちはまだパスのコツが掴めてないため、早く出したり出したい場所まで届かないということもあるでしょう。
こればかりは練習が必要です。普段からワンハンドプッシュパスなど練習を重ねておきましょう。
十分なパスができないうちにゾーンに出会ってしまったら、落ち着いてボールがきたらパスが出せる位置までドリブルして対処しましょう。
経験者がチームにいる場合は、助けてくれますし頼りましょう!
シュートを打たない(遠くて届かない)
初心者の方は、チームメイトが上手いパスまわしで、フリーな状態でパスを受け取れたとしても、シュートを打たない場合があります。
ほとんどの場合は、ボールを受け取った場所がスリーポイント付近で「まだ届かないから打てない・・・」というのあります。
そこは思い切って打って大丈夫です。
ゾーンを崩すのは、フリーのシュートを作ることが目的なので、そのチャンスをしっかりシュートで終わらせることが大切です。
パスが来るかもしれない!来たらシュートを打とう!という気持ちを持って、ゾーン崩しのオフェンスに参加してください。そうすれば、身体も反応しやすいです!
わざわざディフェンスの目の前に陣取ってしまう
無意識に、ディフェンスの前に陣取ってしまうことがあります。
基本的にズレを作る位置取りをして欲しいのですが、無意識にズレを嫌がり整列する傾向が人にはあります。
その他にも初心者に見られる良くない位置取り例として以下があります。
しっかりコートとディフェンスの位置を見て攻めポイントに陣取り、時にディフェンスの動きに対して微妙に動いて、常にディフェンスとディフェンスの間に意図的に陣取りできるようになりましょう。
まとめ
守りのポイント
- まずは2-3ゾーンを覚えよう
- ゾーンはエリアで守る
- しっかり腕を使ってパスコースを防ぐように守る
攻めのポイント
- 2-3ゾーンに対する攻めの陣形を覚えておこう(1-2-2から1-3-1)
- 早いパス回しでズレを作ろう
- 位置取りはディフェンスとディフェンスの間
- ディフェンスが動いた背後で攻める
- 速攻のチャンスは逃さない
- 速攻で攻めきれなくても焦らずゆっくり攻めの陣形を作る
初心者の注意点
- 焦って動き回らない!むしろゆっくりでOK!
- パスが届かなくても焦らない!
- チャンスが来たら届かないとしてもシュートを打つ!まずは心構え!
- わざわざディフェンスされやすい位置に陣取らない!
初めからできる人はいません。初心者なら尚更です。
一つでもポイントを押さえた動きを取ろうという意識が大切です。
早いパス回しでゾーンを翻弄し、チームメイトがシュートを決めると、とても気持ち良いです!
ゾーンに出会ってしまっても焦らずゆっくりした動作で対策しましょう!
あとがき
2022年8月現在、中学まで部活動などでゾーンディフェンスは禁止となっています。
それは色々な方針などがあってそうなっているので良いのですが・・・。
ピックアップゲームに参加した時、バスケはやっていたけどゾーンは習わなかったという方とチームメイトになる機会がありました。
オフェンスの時に、毎回一生懸命、ウイングからわざわざ一対一で攻めようとしている姿に衝撃を受けました。
本人は自分勝手にプレイをしているのでもなく、勝つために自分ができることをしっかり行おうとしてくれています。
学びの機会がなかったということで、これほど差が出るのかと感じました。
たまたま、その方がそういうプレーヤーなのかな?と思っていましたが、似たような経緯(若いカムバックプレーヤー)はゾーンに対して似たオフェンスの傾向があるように感じます。
そのため初心者だけでなく、バスケ経験者だけどゾーンを学ぶ機会がなかったカムバックさんにも、何かヒントになればと思い、ゾーンについてまとめてみました。
マンツーマンで一対一で抜く楽しさや、スクリーンを利用した軽快なオフェンスも楽しいですが、ゾーンの時は早いパス回しでディフェンを掻き回す楽しさも体験して欲しいです。
そんなふうに、バスケを楽しむお手伝いに少しでもなれば嬉しいです。