「余分な力を抜いて」と、アドバイスを受けることがあるけど、どうやって身につけたらよい?
バスケットボールは、パス、ドリブル、そしてシュートも動作の連動性が求められ、さらに質の高い緩急、素早い切り返しが必要と、本当にタフなスポーツです。
それらの動作をスムーズにするために、「余分な力を抜く」=「脱力」が求められます。
しかし、それだけ重要とされながらも、「脱力」をスキルとして捉え、さらに「脱力」に必要なトレーニングと体づくりを教わる機会はほとんどの方にはありません。
中野崇氏の著書「最強の身体能力 プロが実践する脱力スキルの鍛え方」は、トップアスリートやプロ選手を指導する著者が考案した脱力に特化した「脱力トレーニング」です。
このトレーニングによる、肩甲骨、背骨、股関節の力みをコントロールするための身体能力の土台作りによって、パフォーマンス向上が期待できます。
バスケットボールのプレーヤーに必要なストレッチやトレーニング内容が詰まった本なのでご紹介します!
脱力スキルに興味がある!パフォーマンスをもっと上げたい!といったバスケットマンだけでなく、本書はスポーツ初心者にもオススメです。
- 【こんな方におすすめ】
- ●脱力スキルに興味がある!
- ●身体・運動のパフォーマンスをもっと上げたい!
- ●運動を始めたけど、どんなストレッチをしたよいかわからない…
- ●バスケットボールの大人ビギナーやブランクさん
脱力トレーニングによって得られる4つの効果
本書では脱力スキルを身につけることによる効果を4つあげています。
- 身体操作性が高まる: 脱力スキルを磨くことで、身体の操作性が向上し運動技術の習得が早くなる。
- ギャップを埋める:イメージした動作と実際の動きのギャップを埋め、動作の再現性が高まる。
- ケガや疲れ、不調を予防: 脱力トレーニングは、ケガや疲労、不調を起こしにくくする効果がある。
- 勝負どころで力を発揮: 脱力スキルを身につけることで、試合や競技の勝負どころで大きな力を発揮できる。
どれもパフォーマンスアップにも維持にも重要な要素です。
特にバスケットボールは、複雑な動作が求められるため身体操作の向上は願ってもない効果です。
さらに練習時にはイメージに近い動作によって練習の質を高める必要があり、自身の求める動作をいかに再現できるかが重要です。
まさにバスケットボールに必要な土台作りが、脱力トレーニングによって得られるのです。
トレーニングのフェーズ
本書ではトレーニングを4つのフェーズで徐々に脱力を実践できるよう解説されています。
- フェーズ0:腹圧の向上と力を入れるべき部位への刺激(準備状態の整備)
- フェーズ1:ストレッチ系(安定した状態での脱力練習)
- フェーズ2:揺らす系(力の抜き入れの切り替え練習)
- フェーズ3:落下系(急脱力によって重力を利用する練習)
トレーニングの紹介ページには、わかりやすい写真による説明だけでなく、QRコードが掲載されていて読み込むと短時間動画で具体的にトレーニング内容を確認することができます。
そのため、トレーニング慣れしていない方でも実践しやすいです。
トレーニング開始前に読んでおいた方がよいページ
本書の前半は脱力によるパフォーマンス向上について様々な解説がされていて、その後にフェーズ0の呼吸方法を含めた脱力を練習するための準備トレーニングから説明がスタートします。
呼吸に関しては、本書後半の185ページ『「脱力トレーニング」は呼吸が大事』にもポイントが説明されています。
トレーニング系の本を読むとき、人によってはまず最後まで一読してから、その本に掲載されているトレーニングを取り組む方もいれば、読み進めている段階でトレーニングに取り組む方もいると思います。
後者の方が対象となりますが、フェーズ0のページに読みつき、トレーニングを開始する前に、185ページの呼吸ポイントを先に読むことをおすすめします。
すぐに感じた体とプレーの変化
私個人の体感話しですが、フェーズ1にあるストレッチ系を実践して1週間程度で明らかに体の変化を感じた内容があります。
それはカチカチだったお尻と太腿の筋肉が急激に緩んだことです。
フェーズ1で紹介されているストレッチ系は、バスケットボールの練習後に実施すると疲労回復が早まるのも感じています。
バスケットボールだけでなく、スポーツ初心者でどんなストレッチを行ったらよいか、わからない方はこのフェーズ1のメニューを継続していくのがよいでしょう。
フェーズ3まで進めていくと、プレーにも変化を感じるようになってきました。
ドリブルからのドロップスタンスがスムーズになったり、バックカットをする時の切り返しが以前よりスムーズになったり、シュートを打つ時のディップが行いやすくなったなど、バスケットボールのプレー中でも動作の変化を感じています。
いかがでしょうか。
この本は、バスケットボール選手にとって有益なトレーニング方法を提供していることを感じていただけたでしょうか。
さらに、本書の第2章『「脱力スキル」が動ける身体をつくる』では、「対人スピード」や「加速とジャンプの同調」といったバスケットボールをやっている方には気になるキーワードに関連した、脱力スキルがもたらす効果についの解説もあり非常におもしろいです。
ぜひ手に取って読んで、実践してみてください!