バスケットボールの個人練習でも、ドリブルとか実戦的に力強くやったほうがいいって聞くけど、意外とうまくできないし続かない!
何かコツないかな?
あるよー。
プレーの区切り区切りで、声を出しながら練習してみよう!
たった、それだけ。
超簡単だけど、やってみるとパワーやスピードが出て、けっこう疲れるけどその分、質の高い練習ができます!
声を出すと力が出る
よく耳にするのが「シャウト効果」で、砲丸投げやベンチプレスで、大きな声を出すのを見たり聞いたりしたことが一度はあるのではないでしょうか。
人は無意識に身体に対して、運動に抑制を働かせていると言われています。
だけど大きな声を出すことで、運動を制御している神経系に働きかけ抑制レベルを外し、限界値まで筋肉の力を発揮させることができ、これを活用したのが「シャウト効果」です。
ただ、今回「声を出そう」というのは大きな声でシャウトしながら練習しよう!と、いうことではありません。
近くいる人にしか聞こえない程度の、息づかいともいえるほどの声です。
まずはドリブルで試してみよう
その場で動かずに、ドリブルを10回ついてみましょう。
ドリブルは間髪入れずの連続ではなく、一回ずつゆっくりつくリズムでよいです。
ボールを床に向かって押し出す瞬間に「んっ!」と言ってドリブルします。
力強く上がってきたボールを引きながら手のひらで受け止め、その引くときに大きく呼吸。
また「んっ!」と言ってボールを床に押し出してドリブルをつきましょう!
「んっ!」でなくても「あっ!」や「んぁ!」、「うん!」でも、ドリブルをつく回数を数える数字を口にするのでもよいです。
肚(身体の中心に部分)に力が入り、強くドリブルがつけるのを感じてみてください。
自分にあった声を探して実践してみよう!
次はドリルの中でやってみよう!
個人練習をする時、今までに習ったドリルを練習すると思います。
例えばこんなドリルがあったとして、こんなふうに声(息づかい)を出してやってみましょう!
例は初心者にはちょっと難しい内容でしたが、その場で動かずフロントチェンジのドリブル練習をするなどの、簡単ドリルもあると思います。そういったドリルでも実践してみてください!
参考動画
アメリカのスキルコーチ、DJ Sackmann(ディージェイ サックマン)が、実演しながらドリルを紹介する中での声(息づかい)をきいてみてください。
※スマートフォンで再生のうえ、イヤホンで聴くことをおすすめします。
ドリブルやストップ、シュートを打つ瞬間に声(息づかい)がきこえたと思います。
これを自分の練習に取り入れてみましょう!と、いうことです。
力強くメリハリのある練習が行えます!
周りが気になる
大きな声ではないにしても、人に聞かれるのが気になる・・・、恥ずかしい・・・、という方もいると思います。
大丈夫です。
たいして聞いてません。それぞれ自分の練習がありますから。
聞いていたとしても、屋内だろうと屋外だろうと、コートから出たら忘れることでしょう。自分が思うより人は関心をもたない・・・、ということです。
気にするだけもったいないので、気にせず実践してみてください!
スポーツオノマトペ
ところで、様々なスポーツ選手が試合中に声を出しているのを耳にしたことがあると思います。冒頭に記載した「シャウト効果」もそうです。
そしてその声を言葉に置き換え、動作のスピードや強度をイメージで伝えることや、選手自身が発声することで自身の運動パフォーマンスを引き出すことを「スポーツオノマトペ」と言います。
なお、「オノマトペ」とは擬音語や擬声語、擬態語を意味し、「ドカン」「バンッ」などの音が例になり、さらにスポーツで使用されるオノマトペが「スポーツオノマトペ」です。
スポーツの指導の現場において「グッ」「サッ」「スーッ」などの表現で動作のコツや力の入れ具合を感覚的に教わった経験がある方は多いと思いますが、それらの言葉が該当します。
また、シャウト効果のようにベンチプレスの「ンッ・ガー」も、ボクサーのジャブを打つ時に口にする「シッ」もスポーツオノマトペですし、日常例であれば「よっこらせ」「どっこいしょ」も、ブルース・リーでお馴染みの「アチョー!」もスポーツオノマトペです。
スポーツオノマトペ2つの側面
オノマトペ研究者の藤野良孝氏により、スポーツオノマトペの2つの側面について説明がされています。
①指導時に効果を発揮する情報伝達機能
出典:藤野良孝.スポーツオノマトペ なぜ一流選手は「声」をだすのか.小学館.2008年.P7
②運動パフォーマンスの調整・維持などに効果を発揮する運動制御機能
この2つの側面の効果をさらに以下のように説明をされています。
(A)指導時にニュアンスを伝えやすい/動きを滑らかにイメージさせやすい
出典:藤野良孝.スポーツオノマトペ なぜ一流選手は「声」をだすのか.小学館.2008年.P34-35
(B)スポーツパフォーマンスの向上
(B)のパフォーマンス機能
①パワー、スピード
②リズム、タイミング
③リラックス
④モチベーション
⑤威嚇・挑発
選手として注目は(B)のパフォーマンス向上機能であり、これだけの効果が期待できるのは大変に魅力的です。
声を出して自分のパフォーマンスを引き出す
声を出すことで様々なパフォーマンスを引き出すことができます。
しかも声を出すだけなので簡単。
特に社会人のバスケ初心者やブランク選手は、個人練習で試していただきたいです。
練習時間が少ない社会人は、短時間で少しでも効率的で効果的な練習をしたいものです。
とはいえ、何をどうしたら効率的で効果的かわかりません。
しかし、スポーツオノマトペを利用することは簡単です(ちょっとの羞恥心を拭い去る程度)。
ちなみに、(A)の通り、スポーツオノマトペの活用は指導者にも大きな効果をもたらしてくれますので、そういった立場にある方も参考にしてみてください。
まとめ
個人練習で力強く練習したいなら、ドリブル、切り返し、シュートなど動作の区切りごとに、声を出してみよう!
出す声はシャウトでなくてOK!
パワー、スピード、キレ、脱力に効果的!
集中力も増して練習の質もアップ!
動作に合わせて声を変えてみるのも効果的。
発する声は「スポーツオノマトペ」といって、自分にあったスポーツオノマトペを探してみよう!
今日から使える簡単なスキルです。
ぜひ試してみてください!